第9(25)回 コダイ・ウォーキング レポート


紅葉する山の辺の道-3


山の辺の道は大和川の支流・初瀬川沿いの海石榴市(つばいち)を発し、三輪山の麓から奈良盆地の山並みの西麓を北上し、天理市の石上(いそのかみ)神社を通って、藤原京時代の上津道に合し、平城京の東端をかすめて木津川へ達する古代からの道を言います。

私たちはこれまで二日間かけて、海石榴市(つばいち)から北上し天理市の石上(いそのかみ)神社までの山の辺の道を歩き、また関連して佐紀楯列(さきたたなみ)古墳群と馬見丘陵古墳群を歩いてきました。

今回は奈良盆地北東部の古代豪族・和邇(わに)氏らの郷、現在のJR桜井線の東側を、「錦の里」といわれ各種モミジが千本も埋め尽くす正暦寺(しょうりゃくじ)で紅葉を愛でつつ、古代豪族の跡を偲んで天理市まで行き、天理大学付属「天理参考館」で考古美術を味わいました。

当初11月28日の予定でしたが、私の職業上の都合で12月1日に延期の結果暖かい好天気に恵まれました、参加できなくなった方が3名おられ深くお詫びいたします、その代わりに参加できた方と新しく参加された人がおられました、一部にバスと列車を使ったために時間の制約を受けて、忙しいウォーキングとなり反省すべきだと思いましたが、反省会のときには忘れて飲んでしまいました。


正暦寺

一条天皇の勅命で992年創建、当初は八十六坊もあって壮麗な寺院だったそうですが、1180年平重衡の南都焼き討ちで全山全焼、興福寺により再興を受けるも現在は真言宗の寺院となっています。

本尊・薬師如来は白鳳時代の作で、台座に腰をかけ蓮華の上に足を乗せられた倚像(いぞう)形式の金銅仏で、重要文化財に指定されています。谷をへだてて同じ重文に、1681年建立の福寿院客殿が杮葺きの屋根と数奇屋風に建てられ、狩野永納の襖絵と欄間絵があります。

この谷あいは「錦の里」と呼ばれるほどに紅葉が多く、奈良駅からシーズンには臨時バスが出てにぎわいます、遠い古には浄土とも思われた山深いところです。今年はちょうど見ごろに行ったのですが、長い夏と高い気温に紅葉の色合いが冴えないものに感じられました。

        「経もなく 緯も定めず をとめらが 織れるもみじに 霜なふりそね」  大津皇子



錦の里にて



福寿院を見る


               福寿院庭園                                        紅葉浄土

































     

 



















      ←重文・薬師如来倚像
                         
  
  ↑ 小さな本堂には秘仏の薬師如来が開扉中でした



古代豪族・和邇氏の郷

4世紀後半にはこの地に有力氏族・和邇氏とその同族である春日・小野・粟田・大宅・柿本氏らがあり、5世紀末から6世紀前半に最も栄え、河内に始まる大和王朝(現在の天皇家)に蘇我氏と並んで9人の后妃を入れているそうです。
滋賀県の琵琶湖西岸に和邇・小野などの地名があることから、木津川を経由して進出して行ったのだろうと思っています。その和邇一族の本拠地は天理市和邇町として今も残っており、JR桜井線の櫟本(いちのもと)を中心とした集落です。
この付近には後漢時代の大刀が出土した東大寺山古墳群をはじめ多くの古墳があって、古い社である和邇坂神社や柿本寺跡などがあり、弥生~古墳時代の集落や祭祁場跡(櫟本高塚公園)などが見つかっています。


櫟本高塚公園より和邇町を見る、遠方の禿げ山は三笠山





















和邇坂下伝承の地

石碑の矢印の先にある地蔵尊、この辺が中心地だった?




和邇下神社



柿本寺跡・奈良時代の古瓦などが出土


「中平刀」について
中平とは後漢の霊帝(184~9年)の時代をさし、倭国の乱が終結後、漢王朝から下賜されたものであり、貰ったのは乱を鎮めた卑弥呼であると考えられています。この太刀を見たい人は「中平刀」をクリック。

天理参考館

1925(大正14)年、天理大学の前身である天理外国語学校の第1回入学式のときに博物館資料収集を発表され、1930(昭5)年第1回中国民俗資料展が開催されました、世界の生活文化と考古美術の展示で有名であり、特に日本の考古資料は充実しており大変参考になりました。縄文時代の収集も多いのですが、これらは今年2月に大阪歴史博物館で開かれた青森県に散在する博物館組織を挙げての縄文時代の全容約700点を見学していたので大変懐かしく感じました。天理参考館の日本の古代資料の主要なものを別のページでご覧いただきます。

 「天理参考館の古代日本の資料」を見る    「あおもり縄文まほろば展」を見る




Tさんは抜けていますが皆さんのご機嫌な写真です(Mさんのカメラで)


次回(第10回)コダイ・ウォーキングは1月下旬に開きます、どうぞご参加ください。


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