124(139)回 5月 コダイ・ウォーキング レポート

山紫水明を尋ねて笠置町へ

長い連休も終わりを告げて、いよいよ青葉若葉の季節到来となりました、皆さんは好天気に恵まれた連休をどうお過ごしになりましたか?私は薬師寺東塔の修復があと一年となって、工事が公開されましたので見学に行きました三3層目の屋根より高くしつらえた七層目の板敷を踏んで、新しくなった有名な天女像の水煙をまじかに見て、1300年の歴史を身近に感じることができました。
さて、青葉若葉を楽しめるところはたくさんありますが、今春は近くを何度か通りながら行ってなかった、笠置寺とその周辺を尋ねることにしました。あいにく曇り時々雨でしたが、レンタカーのおかげで暑くもなく、石段ばっかりの笠置山霊場巡りに足の筋肉を突っ張らせながら、楽しく一日を過ごしました。



笠置山より木津川を望む


笠置寺


「笠置寺縁起」には682年(白鳳時代)、大海人皇子(天武天皇)の創建とある、一方、「今昔物語」には笠木の地名起源と弥勒摩崖仏の由来について「大友皇子」(天智天皇の子)の説話があってはっきりしません。笠置は奈良方面と京都から伊賀へ向かう街道の交差点であり、平城宮や寺々のための木材は木津川の上流から船で運ばれたので、笠置は水陸交通の要となる地でした。

笠置寺は巨岩に彫りこんだ弥勒佛を本尊にしており、平安時代以降弥勒信仰の聖地として栄えました。古には多くの摩崖仏がありましたが、戦乱により、本尊と虚空蔵菩薩像以外はなくなってしまいました。

さて1331年北条氏の鎌倉幕府打倒を目指して、後醍醐天皇は笠置山で挙兵(元弘の乱)しましたが、間もなく落城、後醍醐天皇は捕まって隠岐の島へ流されます。この戦火によって笠置寺は炎上、弥勒摩崖仏も火を浴びて石の表面が剥離してしまいました。山門をくぐると本坊・毘沙門堂(2004年建立)収蔵庫・鐘楼などが並び、その奥に一周800mの修行場があり、「胎内巡り」「蟻の度渡り」「ゆるぎ石」などと名付けられた巨岩が点在し、途中に弥勒摩崖仏、正月堂(礼堂)、石造十三重塔、虚空蔵菩薩摩崖仏、後醍醐天皇行在所などがあります。



笠置寺山門















   



     左:寺の本尊「弥勒摩崖仏」の焼香石鉢  右:笠置の行場巡り



在りし日の十三重塔と本尊・弥勒菩薩摩崖仏(大和文華館所蔵の『笠置曼荼羅図』(重文)をウイキペディアよりコピー)














































この地にあった十三重塔跡に建つ石塔、戦火によって石刻の本尊・弥勒菩薩像が剥離してしまった(巨石16mHX15mW)













































唯一残った美しい石刻・「伝虚空蔵菩薩摩崖仏」

















左:修行場の一つ  右:戦乱の遺物・攻め上る兵に岩を投げ落とした。


後醍醐天皇行在所跡
歌碑
「うかりける 身を秋風にさそわれて おもわぬ山の 紅葉とぞ見る」


浄瑠璃寺と岩船寺の三重塔































                                    








   左:浄瑠璃寺(1178年 国宝)  右:岩船寺(1442年 重文)


銭司(せず)遺跡

この字を読まれると昔の銀行・両替商などを思い浮かべる方も多いと思いますが、ここは造幣局でした、わが国で初めて各地で通用するようになった「和同開珎」貨幣を造っていたところです。それまでにも無紋銀銭・富本銭というのがありましたがほとんど流通しないで終わりました。
和同開珎は708年8月29日に発行された銀並びに銅銭です、24mm直径・7㎜角の穴が中央に開けられた貨幣で、一枚が1文、当時1文は米2Kg、成人の一日の労働力に匹敵していました。
それまでは米や布との物々交換の世界に徐々に流通してゆきました、その後、数種類の貨幣が造られましたが、和同開珎がこの世から姿を消し
「隆平永宝」に統一されたのは9世紀半ばだそうです。



















左:銅銭・現在価格324000円(日本貨幣商協組鑑定書付)   右:「銭司」のバス停がありました  






地名は加茂町大字銭司小字金鋳山、この一帯で造られていたようで小字には作業場にあった名前が残っています


今月はこれで終わります。次回のウォーキングは6月末か7月初めになる予定です、
私は今月末より、自宅―舞鶴・・・小樽―札幌―函館・・・青森・秋田・山形・福島・新潟・富山・石川県~兵庫県自宅まで、31カ所の縄文遺跡と博物館などを訪ねる旅に、オートバイにテントなどを積んで出かけます。
行程は約2100Km、どれだけの日数がかかるのか細かいことはわかりませんが約1ヶ月とみています。
そんなわけでウォーキングの日にちを決めることはできませんので、あらかじめお知らせ上ご了承願いますBye


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