番外編ブッダ・ウォーキングレポート


1−(琵琶)湖北編


10月中旬に湖東三山の西明寺・金剛輪寺・百済寺(飛鳥〜平安時代創建)の秘仏を訪ねました。この秘仏は50年に一度、住職一代一度、1400年記念などで普通は公開されないそうです。

そのついでに一泊して前日に湖北の古寺を訪ねました、琵琶湖岸は超古代より人々が住んでいたことはこれまで何度かの琵琶湖辺のブッダ・ウォーキングで知ることができました、つまり朝鮮半島の高い文化を持った人々の渡来と豊かな地方であったことが、飛鳥の大和朝廷と密接な関係にあり、仏教寺院の数々が建設されたことでもわかりました。

紅葉で有名な寺々ながら、まだ秋色というには少し早い時節で
したが古来、薬師如来と観音を信仰する人々に守られたおだやかな湖北をお楽しみ下さい。

渡 岸 寺(向源寺)
天平の756年頃、疱瘡が大流行して都では死者が多く出ましたので、聖武天皇は僧泰澄に厄除けの祈祷を頼み、彼は十一面観世音を彫り一宇を建立して憂いを絶って以来、病よけの観音さまとして信仰され、801年には桓武天皇の勅により比叡山が七堂伽藍を建立しましたが、時勢と共に浅井・織田の戦火によって全てを失いました、その折に村人たちは観音像を土中に隠して難を逃れたと言います(現在では860年頃平安初期の作とされています)。
その後、1925年(大正14)に平安時代様式の本堂が建立され、今年9月には国宝の観音様と重文の大日如来などを新しい収蔵庫に収めました。
檜一木造りのお像は柔らかなお姿と厳かな神秘性を兼ね備え傑出した観音さまです、いずれお像はまとめてご紹介します。



渡岸寺境内































                       渡岸寺山門                           楽しく語らい                           


          「槻(つき)の木十選」

渡岸寺は滋賀県高月町にあります、槻の木とは欅(けやき)の古名らしくここには欅の大木が多いことから高槻から月の名所として高月町になったそうです、お寺の前の水路にあるケヤキも十選の一本で、毎年8月16日には「野神さん」と呼ばれるこの神木の前で野神祭が盛大に行われるそうです。







               
                どんなお祭り?














西 野 薬 師 堂

昔々当地に泉明寺という天台の寺があり伝教大師最澄(782〜785)は薬師如来、十一面観音、十二神将を刻んで納められたと伝えられます、1504年浅井の兵火によって焼失、村人は諸像を仮堂に安置していましたが1926年(大正15)国宝に指定、1950年(昭和25)重要文化財に改められました。
現在も小さなお堂を村人が交代で鍵を管理し、電話をかけると駆けつけて説明していただけます、巷間充満寺の観音と誤解されていますが、充満寺はこのお堂の少し北にある浄土宗のお寺で、参拝者が間違って本堂まで上がりこんで迷惑されたそうです、西野の観音堂は湖周道路と余呉川を隔てた西側に写真のようにありますのでご注意下さい。
薬師如来が薬壷を持っていませんので、阿弥陀如来像といわれても仕方ありませんが、いづれも堂々として平安時代を代表する作といえるでしょう。



国宝と彫られた石柱のある西野薬師堂


石 道 寺・鶏 足 寺

JR木の本駅の東に923mの己高(こたか)山があり、役の小角(634〜701)・先述の泰澄(682〜767)などの山岳僧や行基上人(668〜749)が初期仏教を広め、最澄(767〜822)が来て自ら仏像を刻み伽藍を建立して以来、多くの寺院が建って山岳仏教の霊場として栄え、己高山五ヶ寺(石道寺など)と別院六ヶ寺(鶏足寺など)を数えるにいたりました。

然しながら、明治の廃仏毀釈などによって衰退し、現在では無住の二ヶ寺を残す程度になってしまいましたが、村人の努力によって新石道寺と己高閣・世代(よしろ)閣に仏像が安置されています。

あちこち歩き回ってもかってのお寺の場所など私には分かりませんでしたが、立派な参道や管理状態などこの地の人々の仏への思いが伝わってきました。































秋の野に見る野菊・コスモス・りんどう(?)



新石道寺・1869年(明治2)再興の本堂を移築、重文の十一面観音・持国天・多聞天などがある


鶏足寺/己高閣・世代閣 

己高山を代表する鶏足寺の本尊は己高閣に収められています、石道寺から約1Kmよく整備された秋の道をたどって行くと村の鎮守・與志漏神社がありその境内に二棟の収蔵庫が建っています。
己高閣には重文の十一面観音(檜一木彫)など、世代閣には重文の薬師如来(楠一木彫・金箔)・十二神将のうち三体と魚の入った魚籠(びく)を下げた珍しい魚籃(ぎょらん)観音などが安置されています。





























                    湿原に咲くカキツバタと有名な亀山茶そしてその花





























                            秋の蝶々と秋の空



昼なお暗い参道(この奥に修復中の本堂がありました)



野の仏


この日は琵琶湖の北に古戦場として知られる賤ヶ岳を隔てた静かな余呉湖畔に泊まりました。



余呉湖夕色


これで湖北の寺々を終わります、次回は湖東の寺を巡ります、さまざまな仏様方は私のカメラでは写せませんから買ってきた写真をスキャナーで編集してご覧に入れたいと思いますが、時間がかかりますのでそのおつもりでお待ち下さい。


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