第10回ブッダ・ウォーキングレポート

四天王寺・聖霊会舞楽 

 東洋陶磁美術館『牡丹ー花咲く東洋のやきもの

4月の四天王寺は飛鳥寺についで法隆寺より前に行くべきところでしたが、ぜひ天平時代から続く舞楽を鑑賞していただきたく、四天王寺の聖霊会に合わせたために今月になりました。薄日差す花曇の空高く雅楽の音が駆け上る様は、大都会のど真ん中にありながら、万葉人(まんにょうびと)と生きたひと時でもありました。

そして旧安宅コレクションで有名な東洋陶磁美術館ではおりしも牡丹の花にちなんだ陶器の数々が出展され、美しい花々に東洋の美を堪能することができて、まさに私にとって至福の一日でした。

帰りには新世界の通天閣に上ったり、阪田三吉さんを偲んでじゃんじゃん横丁を歩いて、最後はお定まりの反省会をにぎやかに執り行い大阪の一日が暮れました。



四天王寺とは

日本仏教最古の官寺として建てられました。「日本書記」には物部守屋と蘇我馬子の合戦の折、崇仏派の蘇我氏にに組した聖徳太子が不利な形勢を打開するため、自ら四天王像(多聞・時国・広目・増長天)を彫り「この戦いに勝利したなら、四天王を安置する寺院を建立する」と誓願され、勝利の後に誓いを果たすために四天王寺と命名して、593年(推古元年)に建立しました。

聖徳太子は四箇院制をとり、つまり仏法修行道場である敬田院、病者に対する施薬院、病院の療病院そして身寄りのない人や老人を収容する悲田院を建て、仏教精神の実践の場としました、四天王寺は今もなお大阪の仏壇といわれるように、弘法大師(21日)聖徳太子(22日)の命日を初めお彼岸やお盆には庶民のお参りする寺として親しまれています。

伽藍配置は四天王寺式といわれ、南から北へ中門・五重塔・金堂・講堂を一直線に並べ、それを回廊が囲む中国・朝鮮を源流とする最古の建築様式となっています。

この寺の歴史は過酷で、鎌倉・室町時代以降に戦火・雷火・台風・太平洋戦争の空襲によって度々壊滅の憂き目を見ましたが、その都度復興することができ、今は学校や福祉事業に聖徳太子の四箇院精神を継承しています。


四天王寺の五重塔


聖霊会(しょうりょうえ)舞楽とは

聖徳太子のご命日(本来は旧暦の2月22日)にご聖霊を慰めるために行われる舞楽法要をいい、明治以降は雅亮会が一千数百年の四天王寺舞楽の伝統を守り継いで、国の重要無形民俗文化財に指定されています。

聖徳太子は仏教とともに伝来した舞である伎楽を、仏教儀式に不可欠の荘厳として、重臣秦河勝の息子や孫を楽人に伝習させ、この河勝の末裔たちが四天王寺の楽人になったそうです。

平安時代には都の貴族の四天王寺詣での楽しみの一つとなっていた舞楽の伝統は、江戸時代には京都・奈良の楽人と共に官位・官禄を受ける三方楽所の楽人となり宮中での活躍の場も与えられました。

明治天皇の東京遷都(1868年)により、宮廷や南都(奈良)の楽人と共に、天王寺楽所の楽人も召されて東京へ移ることになり、長年の伝統を持つ天王寺楽所は解体の危機に会いましたが、残留した楽人たちや民間の篤志家を集めて天王寺舞楽は「雅亮会」として1884年(明治17)に設立され、天王寺楽所の伝統を受け継ぎ今日に至りました。

雅亮会は四天王寺の聖霊会(4月22日13:00)・篝の舞楽(8月4日19:00)・経供養(10月22日13:00)の舞楽、住吉大社、厳島神社その他の社寺における宗教儀式と、1966年より現在は大阪フェスティバルホールで11月下旬に毎年公開演奏会を開き、1978年ニューヨークのカーネギーホールでの演奏を初めとして、世界の国々での演奏を例年行っています。

中国・朝鮮に雅楽が絶えた今、その伝統を守っている日本の楽人たちがいることを、一千四百多年前に『時に荒廃した人心を楽を以って宣撫す』と言われた聖徳太子は、きっとお見通しになっておられたことでしょう。



迦陵頻を舞う童たち



日本一の大太鼓(だだいこ)を打つ楽士


直径が5mもある太鼓の皮は一頭の牛皮で張られています、現在ではこんな大牛は日本にいないとのことです。この太鼓を響かせるには全身の体重をかけて打たねば音が出ないそうですから、さぞや大変な技だと感激しながら、こちらは軽やかにシャッターをきりました。


 迦陵頻を舞った現代っ子



東洋陶磁美術館『牡丹ー花咲く東洋のやきもの


大阪市立東洋陶磁美術館

四天王寺に行く前に大阪中ノ島にある東洋陶磁美術館へ皆さんと出かけました、大阪が誇る文化施設といえば四天王寺、大阪城、住吉大社、文楽座そしてこの美術館くらいしかありません。
色々な文化の発祥の地「おおさか」としては寂しいことですが、この美術館は世界に誇れるものといえましょう。
ここは前にもご紹介していますので詳しいことはそちらを覗いていただくとして、季節に合った「牡丹−花さく東洋のやきもの」のなかから私好みの15点をUpしますのでお楽しみください。


牡丹のやきものなど(サムネイルの画像を左クリックすると大画像です、戻るときはツールバーなどで戻ってください)

重文 緑釉黒花 牡丹文 瓶 北宋〜金 12世紀 磁州窯
紅緑彩 牡丹文 椀 金 1201 磁州系
重美 白磁銹花 牡丹唐草文 瓶 北宋 11〜12 定窯
色絵牡丹文 八角壷 江戸 17 有田
重文 瑠璃地白花 牡丹文 盤 明 1426〜35 景徳鎮窯
重文 青磁象嵌 唐子宝相華文 水注 高麗時代 12中
青磁鉄絵 牡丹唐草文 水注 高麗時代 11〜12
青磁象嵌辰砂彩 牡丹文 鶴首瓶 高麗 13前半
粉青面象嵌 牡丹文 扁壺 朝鮮時代 15前
粉青掻落 牡丹文 長壺 朝鮮時代 15後
青花窓絵鳳凰文 瓜型壺 朝鮮時代 18後
白地刻花鉄彩 牡丹文 梅瓶 遼時代 11・12
重文 青花 蓮池魚藻文 壺 高麗時代 12後 
青花象嵌 牡丹文 盒 高麗時代 12後
粉青掻落 牡丹文 扁壺 朝鮮時代 15後

もっと見たい人は下記のURLへ
四天王寺舞楽  「おおさか物語」の東洋陶磁美術館

                       
                      5月・第11回ブッダ・ウォーキングについて

掲示板にお伝えしていたように、5月16・17日に高野山に弘法大師を尋ねて、桜と石楠花を楽しんで龍神温泉で一泊するマイカーによる一泊旅行となりますので、すでに参加者は締め切らせていただきました。
6月は古代の大津の都跡を中心にした廃寺址と、いまなお参詣の絶えない三井寺と石山寺を尋ねます、詳細は5月下旬にお知らせします。


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